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令和の米騒動は今だけのことじゃない。

6月上旬に晩生品種の田植えがようやく終わったとのことで、

情報交換&圃場視察に、長和町と八重原の契約農家さんを訪問しました。

 

いずれも契約栽培での作付け面積は確保していただいていますから、

当社としては原料米の数量確保という点において、

素晴らしい品質かつお取引きの継続性の中で、

2025年産米もしっかり仕入をさせて頂くことができそうです。

 

いずれも比較的規模が大きな農家さんですが、

酒米でも早稲と晩生、そこにうるち米、

それぞれの収穫期を見越して田植えの時期を決めたり、

品質と収穫量とのバランスをとって効率よく作付けするには、

話を伺うだけでも相当の工夫とご苦労を感じます。

 

令和の米騒動を受けて、いま、

2025年産米や2026年産米が果たして潤沢に調達できるのか、

調達できたとして価格は一体いくらなのか、

これまで当たり前に調達してきた原料米に対して

数量も価格も、誰も確定的なことがわからず、

このような不安や危機感を大きく抱かざるを得ない時が来るとは、

思ってもみませんでした。

 

そして農家さんの立場からは、

価格高騰による米離れへの不安だけでなく、

品種の集約化による特定品種の消滅、農業従事者の減少や産地消滅など、

あるいは政策転換による価格の暴騰なのか暴落なのか。

「もしかしたら」では済まないくらい

みなさん危機感を抱いているということを肌で感じました。

 

それぞれの農家さんごと、

谷なのか山麓なのか盆地なのか、水はどこからきているのか、

朝晩の寒暖差はどうなのか、日照は、など、

圃場の環境は千差万別です。

 

これもまた酒造りと同じですね。

 

顔の見える原料米を使わせていただいてるからこそ、

その素晴らしい産地をキッチリと伝えていかなくてはと、

心を新たにしたところです。

 

意欲と技術を持ち合わせた方々の手によって丁寧に作られている、

素晴らしい品質のお米を使わせていただけること、

そして、その農家さんと長い関係性の中でご縁がつながっていること、

自分たちだけでは事業を継続していけず、

本当にありがたいことなのだと、感謝しかありません。

 

令和の米騒動に触れ、同業者間でも農家さんとでも、

原料米の話しをすると、ネガティブな気持ちになりがちです。

 

これまで潜在化していた米を取り巻く問題が、

ここ数か月で表在化してきたものと思いながらも、

今真剣に中長期的な見通しを立てていくべき、

重要な局面に差し掛かっているのだと思います。

 

私たちが100年先の未来を描くためには、

100年先の未来を描ける農家さんたちとともに、

お互いの理解を深め合いながら進んでいかなくてはなりません。