個人的な所感ですが。

酒蔵YUKAWAをオープンして以来、
時折社長のお当番日が回ってきて店番をしています。
酒蔵YUKAWA 蔵元限定酒なんかも始めました。
お店お当番、結構楽しくやっています。
GWやお盆休みにもなると、
それなりに遠方(たぶん片道3~4時間)の距離からも、
わざわざ酒蔵YUKAWAを目指して訪れてくれたり、
ついでの場所だったので(全然遠回りだったりするけれど)と、
目的をもって訪れてくれる方が多くて感激しています。
そして意外と年齢層が若い!
そして、年齢層に関わらず、
私のテイスティングコメントや、自身の経験を頼りに、
みなさん値段をそれほど気にせずにサクッと買ってくれる。
若者の酒離れなんて言葉も、最近ではあまり聞かない気がしていて、
もはや若者だけでなく全世代的に酒離れを起こしているのではなんて、
日本酒を含めた酒類の消費額をみてみれば、
そう言いたくもなるのだけれど。
その反面、好きなものには気兼ねなくお金を使いたい。
という機運もあるように感じている。
先日某所で出会った日本酒が好きな大学生たちは、
このお酒いくらだと思う?という意地悪な質問に対して、
めっちゃ美味しいんで2,500円はくだらないかな~との回答。
酒業界で凝り固まった私は、テイスティングした上で、
裏ラベルを見て、米の種類?精米歩合?の情報から、
せいぜい1,600円くらいってもんじゃない?と。
正解はドンピシャ2,500円の商品でした。720mlでね。
それでいいんだよな、ってすごく恥ずかしくもあり、
納得感というか、開放感を得た瞬間でした。
最近では、米の種類だけではなく精米歩合も非公開、
すなわち特定名称も非公開というブランドも増えてきています。
美味しさが、真っ直ぐ価値になる。
そこにある造り手の意思が価値になる。
そんなトレンドは、間近に来ているのだなって、
最近つくづく感じます。
酒蔵YUKAWAでは蔵元限定商品をリリースし始めました。
「今、この場所だけの一期一会のお酒。」
杜氏が「これはいい!」と思った醪からだけ隠しどりしてある、
超絶限定の中取り直汲み瓶囲いなんぞが、放出されていきます。
1スペック10本程度。
酒蔵YUKAWAに来てみてのお楽しみです。
スペック完全非公開。
だからこそ、味わいを確かめてから買っていただきたいので、
テイスティングメニューにもオンリストしています。
私たちにとってはスペック完全非公開も初めての取り組みです。
美味しいと感じられることに価値を見いだしていただければ、
その瞬間の出会いに価値を見いだしていただければ、
これほどに嬉しいことはありません。
日本酒を醸し伝え売っていく、
自分たちの知らないところで、自分たちのブランドが
色んな方々と接点を持ち、そして木祖村へ足を運んでくれる。
色んな日本酒を知ることで、様々な地域を知ることになる。
日々の小さな営みの積み重ねでしかないけれど、
とてつもなく幸せな仕事をさせてもらっているんだな。
と、改めて実感している今日この頃です。