酒蔵社長尚子の奮闘記

子ども店長がプレッシャーをかけてくる。

作成者: 社長-湯川尚子|November 24, 2025

週末など、息子氏たちが家にいる日。

酒蔵YUKAWAの営業時間が終わると、

彼らは店舗におもむろにやってくる。

 

「今日お客さんいっぱいきた?」

「今日の売上は〇万円超えた?」

「在庫が置いてないから商品補充できないよ?」

 

いやぁ、大人の会話をよく聞いている。

在庫?補充?よくそんな単語がスラスラ出てくるものだ。

 

さて、彼らにとって、

私たちの商売はどう映っているのだろうか。

自分の生まれた家が「お酒を造って売っている」家である、

という自覚は間違いなく持っている。

 

6歳4歳になったところだけれど、

欲しいおもちゃがありすぎて、

すぐに買ってとねだってくるので、

そのおもちゃを買うためには、

ちゃんとお金を稼がなくちゃなんだよ。

 

お米を買って、お酒を造って、

できたお酒をたくさん売って、

その売上から皆にお給料を払って、

それで残るお金が利益って言ってね。

 

会社の利益が出たら、ようやく、

おもちゃを買うお金が生み出されるんだよ。

 

なんて話しをしたからかしら?

 

それからというもの、子ども店長2名。

1日の店舗の売上チェックが厳しいったら。

 

私は家が商売をしている、お酒を造っているっていうことに、

誇りを持てたのは恥ずかしながら大人になってからだと思うし、

未就学児のうちから何かしら意識の中に根付いてくれていれば、

それは親としてはとても嬉しいことである。

 

若者に田舎(過疎地)へ来てもらおうと思えば、

いかに魅力ある企業があるかが重要だと思っていて、

過疎地からでも世界に向けて発信できたり、

日本全国や世界中からのお客様をお迎えできたり、

地域に特化した商品づくりができたり、

とにかくかっこよかったり、

理由は様々でも、そこに魅力と活力があれば、

若者はきっとやってきてくれると信じている。

 

息子氏たちが大人になって、

たちまち外の世界へ飛び立った後、

客観的に冷静に木祖村や湯川酒造店を見たときに、

「戻りたい」「継ぎたい」「未来がある」と思える、

魅力ある形を作っておく。

 

というのが、私の親としての目標のひとつ。

 

100年後の湯川家や会社や木祖村の姿を

自分の目で確かめることは当然できないのだから、

その通過点において、

自分自身に合格点があげられるように、

日々を過ごしていきたいと思う。

 

息子氏たちには決してプレッシャーをかけるつもりもなく、

彼らが主観的に「考える」ことができるよう、

彼らが何かに興味を持った時に、

伝えられることがあれば伝えるし、

できるだけ彼らの立場で言及しようと思っている。

 

とはいえ、

何も言わずとも、

かーちゃんとーちゃんかっこいいじゃん、

なんて思ってもらえれば、まずはよいのだろう。

 

子どもながらに見えているものがありそうで、

彼らの脳の中をのぞき見してみたい。