12月ですね。
忙しくなるぞ、なるぞ、って覚悟をしていると、
やはり12月になった途端に忙しくなるものですね。
まぁ、毎年のことではありますが、今日ってまだ4日?
って思うくらい、今週は目まぐるしく時間が過ぎ去っています。
酒蔵では、12月は通常月の2倍以上の売上のある月です。
日本酒と言えば、1年で年末とかお正月にしか飲まないよ、って方も、
まだまだ多くいらっしゃったり、贈り物と言えば日本酒!と言う需要もたくさん。
更には、忘年会新年会で街は賑わう季節ですね。
それに合わせて新酒の発売があったりするもんですから、
酒造りの忙しさに加えて瓶詰めや出荷の忙しさも重なり、
全社であわあわ言いながら頑張るのが年末、酒蔵の風物詩なわけです。
そんなさ中、ご近所のおじさんが不意にやってきたのです。
「いやぁ、折り入って相談が、、、」なんて言うもんだから、
何事か!?と身構えたわけですが。。。
当社の蔵の立地は、旧中山道藪原宿の宿場のど真ん中。
とはいっても、ここ薮原は昭和の早い段階で近代化の波が押し寄せ、
古い建物は端から新しく立て替えられ、そこで様々な商売が継続されてきたのです。
今になってみると、空き家だらけの街並みになり、
宿場町としては歴史があれど、奈良井宿や妻籠宿の様な面影は少なく、
当社の母屋も含めてその頃の建物がまだまだ多く残ってはいるものの、
薮原宿は昭和の商店街的な雰囲気の方が色濃い街並みです。
で、近所のおじさんの頼み事が何だったかと言うと、
自身の生家である明治の建物について、一旦は家族会議で壊すことを決めたんだけど、
やはり壊すのが惜しく、でも自分たちや息子たちも絶対に住まないし、
住まないのに維持するにはコストが掛かり過ぎるし、
で、ウチで何かに使ってもらえないかな?ってな、話でした。
んー、我が家だってあちらこちら傷んできて、
近い将来に大きな維持管理の工事をしなくてはならなくなるかもしれない中、
人の家の建物まで借り受けるのはあまりに荷が大きすぎますね。
使途も思いつかないし、人の来る街であれば、
商売に使うこともできるかもしれないけど。。。
ってのが、答え。
まだお返事していないけど。。。
でもでも、複雑な想いがどか~んと押し寄せてきたのも事実なのです。
使って維持できるものならその方がいいじゃん!
だったら、ウチが手を挙げて藪原の街並みを維持していこう!!
なんて、夢のまた夢。
そんな余力があるなら、とっくに酒蔵の経営は順風満帆です。
自治体も街並みの景観を維持する為にって、
大学教授や学生の意見を取り入れて検討会議なんかも開いていましたが、
そこで出てきた答えは単なる絵空事。
空き家と空き家を中で繋げて人の集う空間にするとか、
街並みのアスファルトを石畳にするとか、到底現実離れしたことばかり。
そんなことじゃないんですよね、空き家対策とか景観維持とかって。
結局のところ、街並みを大切にしたいのであれば、
持ち主ひとりひとりがその重要性を認識して、
自主的に維持をしていくことが、今の現状なわけです。
ひとりひとりの義務感とか使命感と言うか、そういうので成り立つんですよね。
話を持ちかけてきたおじさんだって、
自分の生家がなくなる惜しさだけではなく、
街並みからまたひとつ貴重な建物がなくなることに対する寂しさとか、
景観の為にも維持していきたいと言う想いとか、そういうことがあるから、
私のところに来たんだと思います。
私がめちゃくちゃお金持ちで、
薮原の街並みに寄付でもできるなら話は別ですが、
想いとか使命感だけでは到底解決できる話ではないですね。
今後も年々こんな話が増えていくんでしょう。
ウチだって、まだ母屋に住んで使っているからいいものの、
そもそも基礎のない建物ですから、徐々に沈んでくるわけで、
近所の古い家も住みながら維持しているんですが、
やはり沈みが大きくなって、今度大規模に修繕するんだとか。
新しい家建ててぬくぬく住めるんだったらよっぽどましで、
古い家を維持していくって、本当に大変なんだろうなって思います。
自治体も景観とか考えるんだったら、
もっともっと現実的なことに目を向けて検討していかないと、
時間が経つほど傷んだ空き家が増えるし、
ウチみたいに住んでいたとしても維持するのに限界が来るかもしれません。
はぁ、そんなことをこんな12月の忙しい時に考えさせられたわけです。
記録としてblogに書いておこうと思ったのが書き出しにある4日。
今日はもう9日。なかなかblogを書く時間も取れないくらい忙しい。
今日もお昼休みの30分以外、19時まで動きっぱなしでした。
よくもまぁ、こんなに身体が動くもんだと思いますが、
夕方冷めたコーヒーで一服して、事務所に来たけれど、
もう何もやる気が起きないので、書き途中だったこの記事を書いているのです。
でも忙しいのは有難い事ですね。
さて、杜氏さんの仕事も終わったようだし、
やることは色々あるんだけれど、
とりあえず帰って美味しいお酒と美味しいご飯でゆっくりしよう。