田圃の風景は、季節を一番感じる風景ですね。
先日、お盆明けて以降、なかなかすっきりしない天気が続いていましたが、
予定していた、酒米の圃場を見学させていただいた日は、久しぶりに気持ちのいい晴れ間。
当然ですが、お米の品種によって成長の速度が違いますから、
この時期、田圃の色が一枚一枚違うんですよね。
美山錦は、成長が早いから、もうすでに黄金色。
稲穂も重たそうに垂れはじめています。
それに比べて、ひとごこちはまだ青い印象ですね。
こんなにも成長の速度が違うんですから、できるお酒の味わいも違って当然です。
日本酒って、今でこそ醸造年度や仕込タンクまで、
商品から特定できるように、単一醪で商品化することが増えてきましたが、
過去を見てみると、“同じラベルのお酒は常に同じ味”って言う感覚が、
醸造元にもお客様にも根付いていた様に感じます。
それって、同じ「木曽路」なんだから、いつ飲んでも味は一緒だよね。ってこと。
今でも、木曽路の佳撰(地元で一番飲まれているお酒)なんかだと、
瓶詰するタンクが変わっただけで、「いつもと違う」って思われていたりもします。
ましてや、当社はここ数年で杜氏が変わっていますから、
その情報が先行するだけでも「酒の味が変わった」と捉えられる傾向がありましたね。
実際問題、お酒造りって、同じ蔵元で同じお米と水を使ってお酒を造っても、
杜氏や蔵人の一人が変わるだけで、少なからず味わいに変化が生じます。
ある程度毎年味わいが変わっていっても、その蔵の味わいとして筋さえ通っていれば、
特に大きな問題ではないと、私は考えています。
ただ、佳撰(普通酒)に関しては、やはりそれだけではいけないであろうことも解っています。
毎日毎日、同じお酒を同じ量、同じシチュエーションで飲んでくださっている、
昔からの酒飲みの方も、まだまだたくさんいるからです。
そういう方々にとってみれば、日常なんだから味が変わっちゃダメなんです。
本当に難しいことですね。
実際のところ私自身は、普通酒の味わいを何が何でも同じにしなくてはならないと言う、
固定概念がほとんどないので、杜氏には自由度をもって普通酒も造ってもらっています。
特定名称酒に至っては、その年のお米の特徴を活かして、
毎年の課題を踏まえて新しいチャレンジもしていっています。
お客様にも「去年のは○○だけど、今年のは△△だよね。」なんて、
そんな風に捉えて頂けたら嬉しいんだよなって思いますね。
何でそんなことが堂々と言えるようになったかと言えば、
当社でのお酒造りが大きく成長してきており、
お米の特徴をしっかり捉えた造り分けができるようになってきたことがひとつ。
もうひとつは、どんなことをしても「湯川」の酒の筋が通っていること。
更には、お客様との距離が近づいたこと。
その“筋”を言葉で説明してって言われちゃうと、
スイマセン、まだ上手な表現が見つからず無理です。。。ってなっちゃうんですが、
でも私の中では明確な「湯川」のお酒の筋が通っているわけです。
それって、たぶん杜氏の中でもそうだし、蔵人の中でもそうなんです。
だから、それを大切にさえしていれば、
色んなお酒造りにチャレンジできるし、怖くないわけです。
お酒を調合して均一性を持たせることも大切なことです。
ですが、お酒の個性をしっかり生かして、
そこに言葉が添えられてお客様まで届くことも大切なことですね。
MINIの広告って、色んな意味で私の頭の中を整理してくれました。
そのテイストの筋さえ通っていれば、色んなタイプの車があってもよい。
その豊富なラインナップの中から好きなものを選んでね。
次に出るのはどんなタイプか、楽しみしていてね。
そんあわけであります。
わくわくできる銘柄に、蔵元になることも、ささやかな夢なのです。
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