当社は一年単位の変形労働時間制を採用しています。
秋から冬にかけては日本酒の需要期ですから出荷も忙しく、
蔵については秋から春の酒造期が忙しいため、
夏場の閑散期にお休みを多くとれるように年間休日を設定します。
とは言え、営業・出荷部は12月以外は大抵土日休みにしています。
しかし、醸造部はそういうわけにいかず、
仕込みのスケジュールに合わせて休日設定をします。
基本的に社員は日曜日に休めるよう、
変則半仕舞いで週に2本から3本の醪をたてるスケジュールです。
それでも、どうしても休日を作れない週が出てしまったりして
労働基準法に抵触してしまいます。
醸造部は営業・出荷部と違い、朝が早いですから、
醸造期の定時を7時から17時にしています。
しかし、その時間内ではほぼ仕事がおさまりきらないので、
どうしても早出と残業の時間外が出てしまいます。
そして、休前日は半ドンで、できるだけ早く帰るように促します。
週に何時間以上働いちゃダメとか、
休日は1ヶ月に何日以上ないとダメとか、
お酒造りを全うにこなそうと思うと、
今のうちの体制ではどうしても働かせ過ぎになるのです。
パズルの様に、出勤日と休日と半ドンの日を並べて、
夏場に3週間とか休日を作って、何とか労働基準法もクリアです。
毎年社労士の先生には、ご苦労いただいて年間カレンダーを作成します。
9月から5月が醸造期になった今季は、
醸造期が長すぎるので、どうにもこうにもなりません。
もちろん、時間外で働いてもらった分はキチンと時間外手当を支払いますが、
「じゃぁ、給料払ってるんだから休みなくたっていいじゃない!」
って訳には当然いかないですよね。
精神衛生だって高めなくてはいけないですし、
体力的にも休みがなくては身体がもちませんね。
「え~休みだと思ってたのに。。。」
なんてのは極力避けたいものです。
酒蔵は夜中の仕事もあったりします。
季節労働者が来ていた時は、それほど気にしなくて良かったのですが、
今は全員が通年雇用になっていますから、かなりシビアです。
蔵人としては、勉強のために夜出てきたかったり、
時間外に杜氏と一緒に醪を見たりしたいんです。
意欲がある人ほど、尚更。。。
労務管理を徹底することで、
不必要な残業がなくなって仕事効率が格段に上がったのはいいのですが、
意欲ある社員が自主的に残ったりしにくくなるわけです。
コンプライアンス重視で労務管理をしてしまうと、お酒造りの現実にそぐわないし、
社員を休ませている間は結局私たち経営者が動いているわけで、
どこかに歪みができてしまうのです。
解決方法のひとつは、
たぶん余剰人員を確保してローテーションで休むことでしょうか。
それはそれで、当社にはなかなか出来得ないことですね。
もうひとつは、醸造手当として時間外分をカバーすることでしょうか。
とりあえず、前季までは醸造部もすべて時間外計算していましたが、
今季から試験的に醸造手当として支給することに変更しました。
でも、時間外で働いた分が手当てを上回ると、
その分を追加で支給しなくてはならないんですね。
何だか、どうにもこうにも、どうすれば社員も働きやすくて、
私たち経営者も気持ちよくお給料を支払えるのかが解りません。
やる気をそぎ落としてしまうことだけは避けなくてはならないし、
身体に支障を来すことも避けなくてはなりませんね。
「これだけしか働かなくていいよ。」って範囲の中で、
それなりに仕事をしてくれればいいや、って働き方なのか。
「そんなに働いてもらっちゃ困るよ。」って言いつつ、
すんごい頑張ってくれる社員が沢山いる働き方なのか。
その両方のバランスがしっかり取れて、よりよい職場環境になるんだろうな。
とにもかくにも、私が社長になって最初に感じたことが、
「労務管理をしっかりしなくちゃ。」
「社員の家族の生活をも守るのが社長の役目だ。」ってことです。
「湯川で働いててよかった。」
「やりがいあるよね。」
「休日も充実してるし。」
「もっと仕事頑張らなくちゃ。」
そんな風に、社員から感じてもらえる企業になりたいな!
祝日法とか有給休暇とか、
最近の話題について色々思うところを書こうと思ったのに、
そんなこと関係なくって、
我が社の社員が幸せであれることが重要なんだって、
だからそのために私は何をすべきなのかって、
そっちの方が大切なんだな。
常に働き手の立場になって考えてるつもりです。。。