覚書も兼ねて。
今木祖村では、「小中学校ありかた検討会」と称して、
将来的に小中学校を併合校にするのか義務教育学校にするのかを主軸に、
近い将来の教育のあり方の検討が進んでいます。
その検討会の中で、
村民の意見を広く聞くという主旨で
「学校づくりミーティング」として
グループワークが設けられています。
今日はその2回目のグループワーク。
保護者世代の積極的参加をと言いながら、
どうしても比較的年齢層は高くなりがちではありますが、
小中学生グループもあって、活発な議論がなされました。
今回は6つのテーマに分かれてのグループワーク。
①地域と自然を生かした体験型教育
②子どもの主体性、個性を尊重する教育
③快適で柔軟な学校空間と施設のあり方
④学校、地域、家庭の連携と教育支援
⑤子どもの心身の健康と実生活の向上
⑥小中一貫教育の長期的なビジョン
私は
②子どもの主体性、個性を尊重する教育に参加しました。
以下はまず個人的な意見。
・社会人とのつながりの強化
・選択の自由、個の選択を妨げない
・多様な選択肢の提示
・考える力を育む
・子ども同士の聞く力を育む
・アウトプット力を育む
・興味を後押しする信頼できる友だちや大人の存在
・個の興味に没頭できる時間づくり
◆体験
木祖村は過疎地域で、
部活をするにも習い事をするにも選択肢が限られます。
保育園から小学校低学年くらいでは、
できるだけ大人が選択肢を狭めることなく、
興味の向くことを体験経験させてあるげるべきです。
体験経験は、決して部活や習い事に限られることではなく、
木祖村には様々な産業があり、多様な人が暮らしているため、
職場体験などを通じて木祖村だからこそ触れられる、
様々な選択肢と可能性を提示してあげられると、
子どもたちの根底に「木祖村」であることが
アイデンティティとして備わっていくと感じます。
◆コミュニケーション、人格形成
大人(社会人)は、
否定をせずに彼らの興味選択を後押しできる存在。
そして友だちもしかりです。
主体性や個性を尊重するためには、
相手を尊重することが必要で、
日常のコミュニケーションがとても大きく関わると思っています。
「それもいいね」こっちのけんとの歌に、
私は35年前に出会っていたかったなとつくづく感じるし、
あの時代はよくも悪くも個に対して厳しかったと思います。
子育てにおいては
「ほめる」「共感する」が今や当たり前になっているけれど、
それを友だちの間でも日々できることが大きいかな。
「それもいいね!」と相手を尊重し、
子ども同士の中で、相手のことを聞く力を育む。
そうすることで必然的に考える力が養われていく。
小さな成功体験の積み重ねが自信につながり、
自信が持てることでアウトプットができるようになる。
話し上手、話下手、
勝気な子もいれば内気な子もいる。
一概にアウトプットと言っても、
人前で緊張せずに何かを話せることではなく、
自分の気持ちや譲れないものを伝えられることという感じ。
◆時間の使い方
教育現場にいる方々は、
個に寄り添った自由時間を作れないと話されたいた。
子どもも忙しい、教育現場はもっと忙しい。
「自由時間」という決められたことをやる時間。
という先生の言葉が印象的だった。
1日の中では、
学校教育と学童などの地域移行の時間の間に
1時間程度の隙間時間があるらしい。
そういった時間を有効活用できればいいのだろうと思うけど、
我が家はまだ保育園児なので、
そのあたりのタイムラインの実感がなくよくわからないものの、
そういった時間をいかに充実させるのか、
主体性を持った時間の使い方ができるのか。
それも一つなんだろう。
親にばれずに何かをやるってのも必要なことだと思うし。
ただ、明らかに間違った方向(犯罪や危険行為)の可能性は、
周りにいる大人が排除してあげなくてはならないことではある。
すべてを学校の枠にはめるのは難しいのは承知しているけれど、
子どもたちも忙しい中で、
10分でも1時間でも、自分の「好き」に思考を寄せられる、
誰にも邪魔されず没頭できる時間があるのは重要ではないかと思う。
保育園は今、個の感性を大切にするという方針で、
「全員で何かをやる」という時間よりも、
「自由に好きに遊ぶ」という時間が多く取られている。
もちろん、クラス皆で団結して劇をやろう!
みたいな社会性を育む環境も用意はされているが、
社会性とは主体性をもって育まれるものなのではないかと、
子どもたちを見ていて感じている。
「自由に好きに遊ぶ」ことは、
当然お友だちとの関りもたくさんあるわけで、
そこで主体客体が常々入れ替わりながら、
彼らは日々うまいこと楽しく過ごしているのだと思う。
ひとりで黙々と工作をしている時もあれば、
お友だちと協力し合って基地を作ってごっこ遊びをしていることも。
自分の幼少期の頃を振り返ると、
主体性をもったり自由に何かをするということに対して、
そこそこ大きなハードルがあったので、
今の彼らの関り方には感心をするばかりです。
さて、長々となってしまいましたが、
つまるところどうなのか?
各グループワークの発表を聞いて感じたのは、
「地域との関りの強化」は大前提なのだろう、と。
産業だけでなく、祭り文化、食文化、
農畜産業、林業、木工…
様々な原体験をできる素地が木祖村にはある。
学校をどこに作るの?って考えたときに、
恐らくすべてのグループの議論に共通してあったのが、
保育園、小学校、中学校が地域の真ん中にあり、
図書館や交流施設なども併設されて、
老若男女、地域の人々が行き交える場所であり、
そこは毎日の学校がワクワクする要素が詰まっていて、
自然と地域との交流が生まれる場所でありたい。
ということなんじゃないかな。
今回の学校づくりミーティングを通じて得た
私の一旦の結論はそんなところだけれど、
ここから先、出された意見を村がどう集約し、
どう実現していくのかに対して、
まだまだ私たち村民が
自分事として関わっていく必要がありますね。
現在、2040年を目指した学習指導要領が作成されているとのこと。
「自らの人生を舵取りしていく力」を育む方針のようです。
好きを育む、得意を伸ばす。
社会にひらかれた教育課程。
内発性を育むための外発的な環境づくり。
あくまで専門家の方の話を聞いた私の理解ですが、
これから20年、彼らが生き抜く環境は
とてつもなく過酷であることは想像に難くないですね。
サバイバル能力を高める。
できるだけ早い自立を促す。
子どもを授かったときに夫婦で話したこと。
極端な話、今社会全体が子どもたちに求めていることが、
まさにこれなのではないかと感じてしまいました。
木祖村に生まれてよかった。
そう感じてくれる子どもたちが多くなるように、
大人の責任として魅力ある地域を作っていきたい。
結局のところそこなのか。